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畑本京都府議会議員

2019-12-11:

2019年12月一般質問:脱炭素社会、府民意識向上、温暖化対策条例目標達成の取り組みについて質問しました

気候変動に関する府民意識の向上ついて

ニューヨークで9月23日に開かれた 国連気候行動サミットに向けて、世界気象機関(WMO)は、前日に「温室効果ガスの影響で、世界の平均気温が過去5年間で観測史上最も暑くなるなど、地球温暖化の兆候や影響が加速していること、また、海面上昇についても、著しい加速がみられこと、これらは二酸化炭素(CO2)排出量が 過去最高となったことが要因である」と報告書を発表しました。

報告書によると、世界の平均気温は1850年以降、摂氏1.1度上昇。2011年から2015年の間に0.2度上昇し、2015年から2019年までの間に 大気中に排出されたCO2は、2015年までの5年間と比べ、2割上昇していると報告されています。

WMOはCO2削減の対策強化が急務だと指摘しています。ペッテリー事務局長は「海面上昇は加速している、将来的な海面上昇を深刻にする恐れのある、南極やグリーンランドの氷床の急激な減少を懸念している」と述べています。

海面上昇は2007年から2016年までの10年間で、1年あたりの平均上昇は4ミリに対して、2014年5月から2019年にかけては5ミリずつ上昇しており、従来予測の2倍になり、氷解が加速しています。気候変動による熱の9割以上が海に吸収されています。

2018年の海洋蓄熱量は観測史上最高だったということです。報告書は「今、地球上のどこを見たとしても、状況は同じだと強調。人為的な温暖化は、熱波や山火事などの異常気象の規模や激しさに影響を与えている」としています。

日本でも近年、異常気象を思わせる現象や暴風雨による大きな被害が全国各地で出ています。特に、台風19号等がもたらした豪雨災害は大きく、71河川で決壊、犠牲になられた方96名、不明者3名、9万棟余りで住宅被害が出ました。日本近海の10月の海面温度が 平年よりも1から3度 高い状態が続いた結果、勢力が衰えないまま台風が上陸している現象は、気候変動と無関係とは言えません。

世界的な環境保護活動家である、スウェーデンの高校生 グレタ・トゥンーべリさんは、2018年8月20日の金曜日に、スウェーデン議会の建物の前に立ち「気候のための学校スト」のプラカードを掲げ、気候変動への抗議で 2週間の座り込みをしました。この行動に対して世界中の若者たちが共感し、その抗議活動は世界各地に拡大しています。

グレタさんは国連気候行動サミットで「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、2018年1月1日時点で、世界に残されたCO2排出許容量は4200憶トン、現在では3500億トンを下回っている。この先、従来通りの取組だと現状の排出レベルでは、残されたCO2排出許容量は8年半もたたずに達してしまう。すべての未来世代の目はあなたたちに注がれている。私たちはあなたたちを注意深く見ている。」と、世界のリーダーたちに訴えました。

国連環境計画は11月26日、CO2排出が今のペースで続けば、今世紀末の気温が産業革命前と比べ最大3.9度上がり「破壊的な影響が生じる」と報告しています。

1997年、京都において 気候変動枠組条約 第3回(COP3)が開催。「京都議定書」が採択され、先進国は 各国毎に削減目標を決め、日本においては2008年から2012年の5年間で 1990年比6%のCO2削減を目標としましが、2011年の東日本大震災での原発事故 以降、 化石燃料への依存度が高まっている状態が続いており、残念ながら国連気候行動サミットでの 登壇は認められませんでした。

本府におかれましては、2005年12月27日に「京都府 地球温暖化 対策条例」を公布され、CO2削減に向け 積極的に取り組まれてきた歴史があります。しかし残念なことに、京都議定書から22年が経過する中で、脱 炭素社会実現への熱意と意識の希薄化が 見られるのではないでしょうか。その一方で、皮肉なことに地球温暖化は 待ったなしの危機的状況になってきています。

そこで、知事のご所見をお伺い致します。

  • 地球を守るためには、国家レベルで取組む課題ですが、世界的に気候変動が加速している現状を どのように捉え、府民意識向上に取組まれますか。
  • 京都府地球温暖化対策条例では、温室効果ガスを2020年度までに、1990年度比で、25%の削減目標を掲げられております。 2017年度 時点では18.3%の削減達成度ですが、どこに課題があり、今後どのように取り組まれますか? また、本府自体のCO2削減への、具体的な取組状況も教えてください。

 

2015年以降、従来予測の2倍のスピードで気候変動が進んでいる現状は、これまでの取組では追いつかないと思います。今、スペインのマドリードでCOP25が開催されています。

パリ協定に向けての最終的なルール作りが醸成されることを期待していますが、本府におかれましても、 国が動けなければ、京都府は非国家アクターとして、 取組めることもあると思います。

環境税導入も含め、カーボン・プライシングの議論を始めて頂きたいと思います。 どうか、宜しくお願い致します。

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