京都府議会議員(西京区) 畑本久仁枝 畑本久仁枝の公式Facebook 畑本久仁枝の公式インスタグラム

畑本京都府議会議員

2021-06-22:

2021年6月一般質問:令和3年6月定例会にて動物愛護の課題から殺処分ゼロを目指すための取組について質問しました

6月17日から7月6日まで6月定例会が開会しております。

代表質問:22日・23日
一般質問:24日・25日・28日となります。

私は一般質問をいたしました。
今回のテーマは「食品ロス」が招く環境問題と動物愛護についてです。



動物愛護の課題から殺処分ゼロを目指すための取組について

私は2匹のネコと暮らしています。2匹は保護ネコです。
名前はサバちゃん(雄猫推定4才)、まどかちゃん(雌猫推定13才)です。
今日も帰宅すると玄関で迎えてくれると思います。2匹がちょこんとお座りしている姿を見ると疲れていることも忘れます。

愛らしく可愛いイヌやネコ達に癒されている方は、私以外にも大勢居られると思います。
可愛いと思われ大事に飼われているイヌやネコ達は幸せですが、中には飼い主に虐待を受けているイヌやネコ達もいると思われますし、終生過酷な環境で生きていく野良犬・野良猫達もいます。

また、動物愛護センターに収容されて 里親に恵まれるイヌやネコもいれば、引き取り手の無い犬や猫達、又、ペットショップで購入されなかった犬や猫達の末路は安楽死による殺処分とならざるを得ない場合もあります。
全国では10年前と比べると犬・猫の殺処分頭数は約20万頭減少していると言われていますが、平成31年4月1日から令和2年3月31日の1年間で犬は5.635頭 猫は27.108頭、計32.743頭が依然殺処分されています。

京都動物愛護センターにおいて、令和元年度に収容された犬は160頭、猫は1060頭おり、猫の収容数は犬の約7倍になります。何故このように猫が圧倒的に多いのでしょうか、それは猫の繁殖力高いことが挙げられます。哺乳類の中で人間や犬は自然排卵になり妊娠可能な日数が限られますが、猫やウサギは交尾した刺激で排卵する交尾排卵と言い、交尾する度にほぼ妊娠するためです。
猫の妊娠期間は約2ケ月間、出産2ケ月経過後から妊娠可能になり、年に2回から3回出産することが可能です。

環境省の計算では、1頭の雌猫が3年後には2000頭以上に増えると試算されています。ネズミ算式という言葉をネコに置き換えないといけない程の驚くべき数字です。安楽死による殺処分の絶対数を減らすには、猫の繁殖を抑制すること、特に野良猫の繁殖対策が必要ではないでしょうか。

しかし、令和3年3月に改訂された「京都府動物愛護推進計画」には、野犬の捕獲に関する記述はありますが、野良猫の捕獲に関する記述は見当たりません。改正動物愛護管理法では、飼い主は動物をみだりに繁殖し、適正な飼養が困難となる恐れがある場合は、繁殖防止のために不妊去勢手術等の措置を講ずるよう義務付けられています。

しかし、同時に、飼い主不明猫いわゆる野良猫に対しても不妊去勢手術を施し、猫の個体数そのものを減少させる取組みがなければ、殺処分ゼロへの根本的な解決には至らないと思いますが、本府の見解をお聞かせください。

また、民間によるTNR活動というのがあります。
Trap:捕獲すること Neuter:不妊手術のこと Return:猫を元の場所に戻す。
頭文字をとってTNR活動と言います。

野良猫を捕獲して、不妊手術後、元の場所に戻し、一代限りの残された命を全うさせる活動です。野良猫の不妊手術を推進することで、殺処分となる不幸な猫をつくらないことを目的としています。さくら耳やさくらネコという言葉を耳にされた方もあると思います。TNR活動で不妊去勢手術された野良猫の証明として、ネコの耳の先端に切り込みが入られ、桜の花びらに似ているところから「さくら耳・さくらネコ」と呼ばれています。

京都では「ゼロの会」が不妊去勢手術活動に取組んでおられます。
月の内3日間を手術日として約250頭から300頭の不妊手術をされています。手術代が低額の為、近隣府県からも来られている状況です。因みに野良猫に対してはオス猫の去勢手術代3千円、メス猫避妊手術代5千円です。

行政側も「地域ネコ」制度を推進されておりますが、地域住民の同意を得る、複数の地域猫管理者が必要等で、承認までのハードルが高く地域ネコ活動が伸び悩んでいるのが実情だと思います。殺処分ゼロを目指すには、TNR活動と地域ネコ活動の両輪を動かす必要があると考えます。

いずれにせよ、野良猫を捕獲して、不妊去勢手術を施し、一代限りの命を見守る活動は、主に民間の保護ネコ活動家や団体がボランティアで担われているのが現状です。
捕獲するための餌代、手術代、移動運搬のガソリン代等は、全て保護ネコ活動家の方々が自己負担されています。

所謂、民間の善意で野良猫対策が行われている現状を本府はどの様に思われますか。

本府としての関りが限定されるのであれば、せめて、野良猫の捕獲や不妊去勢手術等に掛かる活動経費の補助をご検討頂きたいと思いますが、本府のお考えをお聞かせください。
安楽死や殺処分ゼロを促進させするためにも、積極的なご答弁をお願い申し上げます。

最後になりますが、京都動物愛護センターでは 行き場の無いイヌやネコ達には、負担のかからない「麻酔薬投与」による安楽死をされております。限られた収容施設で致し方無い事だと思います。自治体によっては炭酸ガスで窒息させる方法を取られているところもあるようです。

京都動物愛護憲章には「京都を人と動物が共に暮らす うるおいのある豊かな町にすることを目指します」と書かれています。
野良犬や野良猫達は、好んで野良犬・野良猫になったわけではありません。

野良犬・野良猫達に行政の愛とうるおいが注がれることを願って、私の一般質問を終わらせて頂きます。ご清聴頂き有難うございました。

▼6月定例会に関しまして詳細は以下ホームページをご覧ください。
令和3年6月定例会
令和3年度6月補正予算案概要はこちら
令和3年度6月補正予算案等の概要について (PDF)

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